チョッキンピックで金メダル

ちょきちょきかざり

めざしたいコミュニケーションの姿

自分と友達の形を比較して「かたちきり」のコツを見つけ,友達にも理解できるように自分の考えを伝える姿(筋道立てて伝える姿)

 本題材は,紙を折り重ねて切り,同じ形がつながる面白さを生かして,折り方や切り方を工夫し表現する工作の題材です。
 副題は,「チョッキンピックで金メダル」とした。一度きりの表現の場であるオリンピックで最高のパフォーマンスを発揮するには,試行錯誤,コミュニケーションが必要となってきます。本題材においても,オリンピックのように試行錯誤,コミュニケーションを大切にしながら,思いのこもった飾りにつなげていきたいと願い,この副題を設定しました。

本時のねらいと展開

ねらい

表したい形にするには,どのように切るとよいかについて考える。

展開
  1. 前時を想起し課題をもつ
  2. 「かたちきり」を知る
  3. 「かたちきり」のコツを考え 全体で交流する
  4. 「かたちきり」のコツを確認する
  5. 学習をふり返る

実践例(意図・取組)

本時では,既習の角を合わせて折る「ぴったりおり」で三回折って長方形にしました。その後,角を切って形を変える「かたちきり」を一斉に行いました。同時に開くと,バラバラになってしまう児童,うまくつながっている児童がいました。この場面で,今の気持ちを赤白帽子で示しました。バラバラになった児童だけではなく,つながっている児童の中にも「もやっ(白)」がいました。それは,つながっている児童も,それが偶然うまくいっただけであることに気付き,金メダルをとるためには,「いつでもだれでも成功できるように,コツをつかみたい」という思いをもち,課題が生まれるようにするためです。児童は,自分と友達の切ったものを見比べながら,切らないようにする箇所があるという,「かたちきり」のコツに気付き始めました。実際に切るところを見せながら伝えたり,ロイロノートを活用し大型テレビで映し出したりしながら,コミュニケーションが自然にうまれていきました。そして,終末で「すっきり(赤)」に変わった理由を問うことで,自己をふり返ると共に,友達に伝えることができたという喜びを感じることができ,さらにコミュニケーションの有用感にも気付かせることができました。

成果と課題

成果
  • 「ぴったりおり」「かたちきり」など分かりやすいネーミングを示すことで,共通の認識が生まれました。
  • 共通の課題意識をもたせたことで,必要感のあるコミュニケーションをうむきっかけとなりました。
課題

個々の思いに合わせて表現する活動になると,コミュニケーションに必要感がうまれにくいです。本題材は工作の題材でしたが,絵・立体や他の工作題材においても,共通の課題意識をもたせコミュニケーションの場がうまれるように題材研究していく必要があると感じています。