「ひかく」で「ふかく」考えよう

縄文のむらから古墳のくにへ

めざしたいコミュニケーションの姿

(Phase2)共通点・相違点を理解して聞く姿
(Phase2)深めたり,広げたりして聞く姿

縄文時代から弥生時代へと時代が移り変わるにしたがって、人々の生活の様子も大きく変化していきました。その変化の要因として、大陸から米づくりが伝わったことが挙げられます。本時に至るまでに、縄文時代、弥生時代のくらしの様子について班に分かれて調べていきました。各班には、一つずつ衣,食,住(建物), 道具,人(何をしているか)など調べる観点を与えました。本時では、二つの時代の様子を比較し、変化を要因は何かを考えさせました。どの観点から考えても要因として米づくりが考えられるということを明らかにすることで、単元を通して考える課題の中に「米づくり」というキーワードを位置づけました。

本時のねらいと展開

ねらい

縄文のむらと弥生のむらを視点をもとに比べて,人々のくらしやむらの様子の違いには,米づくりの始まりが大きく関わっていることに気づき,そこから学習問題をつくることができる。

展開

・課題をもつ
・グループでくらしの様子の変化のきっかけについて考える
・全体で考えを交流し,課題に対する答えを見出す
・本時の学習をまとめ,学習問題をつくる

実践例(意図・取組)

大きく二つの取組をした。一つ目は、コミュニケーション力を育成するために,班で調べ,クラス全体で話し合うという形を単元の中で数回取り入れました。班によって調べる内容を変えることによって,全体での話し合いの際に聞く必要感を高まるのではないかと考えました。具体的には,縄文時代と弥生時代の生活の様子について,衣,食,住(建物),道具,人(何をしているか)などの観点に分けて調べさせていきました。他の班が自分たちの調べていないこと,知らないことについて説明する環境をつくることで聞きたいという思いを高まるようにしました。
二つ目は、縄文時代,弥生時代について調べたのち,それぞれの資料を並べて比較して考えることで,2つの時代の共通点や相違点をグループ内や全体で確認する姿が見られるようにしました。観点別に考えていった末に人々のくらしの様子の変化には米づくりが伝わったことが大きく関わっているということを見出す姿が見られるのではないかと考えました。
実際の授業では、すべての班が米づくりを変化の要因として考えていました。活発な話し合いが行われた班では、縄文時代と弥生時代の共通点と相違点に注目して考えることができていました。授業の最後には単元を通して考える課題に「米づくり」というキーワードを入れることができました。

成果と課題

成果

・すべての班が縄文時代と弥生時代のくらしの様子の変化には米づくりが大きく関わっていると
いう解を導き出すことができました。
・縄文時代と弥生時代の共通点と相違点に注目して考えることができていました。

課題

・班で話し合いをさせる際、司会、記録、発表、ファシリテーターという役割を設定しました。
その中でもファシリテーターは話し合いが活発なものになるようにつけた役割でした。しか
し、ファシリテーターを任せた児童の中には、具体的にどのような働きをすればよいかわから
ない児童もいました。具体的に例を示していく必要があると感じました。

・本時が予想する時間なのか調べる時間なのかを明確にしていなかったため、iPadで答えを検索
しようとする姿が見られました。本時が何のための時間なのか、iPadの使いどころをはっきり
と児童に提示していく必要があると感じました。