めざしたいコミュニケーションの姿
共感・理解しながら聞く姿(共感・理解して聞く姿)

トンボやバッタの幼虫と成虫の姿を提示することで,チョウの育ち方と違いがあるのかという問題を見いださせます。個人思考ではタブレットを活用し,チョウとトンボ,チョウとバッタの共通点・差異点をシンキングツールのベン図に書きます。蛹化するかしないかを共通点・差異点から考え,根拠のある説明ができるようにします。発表にはベン図を提示しながら発表させることで,友達の発表内容を共感したり,理解したりする姿が見られるようにします。ふりかえりの内容は,「なるほどと思った友だちの考え」と「友達の考えによい反応ができたか」にします。
本時のねらいと展開
トンボやバッタの育ち方とチョウの育ち方を比較する中で
気づいたことや疑問に思ったことから
トンボやバッタの育ち方についての問題を見いだし
差異点や共通点を基に自分の考えを表現する
1.トンボやバッタについて調べる課題を見いだす
<バッタやトンボはさなぎになるのか予想しよう>
2.チョウとバッタ,チョウとトンボを比較し,
蛹化するかどうかを個人思考をする
3.ペアで考えを共有する
4.全体で考えを共有する
5.学習についてふりかえる
実践例(意図・取組)

ベン図を使用した個人思考では,チョウとバッタやチョウとトンボの共通点・差異点を比較しながらベン図に書いていました。共通点を根拠とすると「チョウと似ているので蛹になる」となり,差異点を根拠とすると「チョウと違っているので蛹にならない」となり,根拠のある予想と言えます。ベン図をかくことにより,考えを共有する場面では,根拠のある説明をすることができていました。
「どちらも飛ぶのでトンボも蛹になる」という発言があり,「なるほど。」と自分と違う考えに共感していたり,「同じ。」と自分の考えと同じであると理解したりする反応がありました。他には,幼虫が成虫と似ているという児童と似ていないという児童がいました。児童にどう考えるかと教師から問いかけると「どちらの考えも分かる。」という発言がありました。ふりかえりを見てみると,発表をよく聞いていたようで,「トンボの幼虫の抜け殻は見たことがあるけど蛹の抜け殻は見たことがないという考えにへえーと思った。」など,自分とは違うところを根拠としている児童のことを書いていました。予想したことを基に,幼虫の飼育や観察を行い,トンボもバッタも蛹の時期がないことを理解することができました。
成果と課題
・タブレットを用い,ベン図を全体で簡単に共有できたことで,コミュニケーションの力をつけるためにタブレットを効果的に活用できたと考えます。
・ベン図を見せながら発表することで,聞く児童には分かりやすく,共感や理解をしながら反応することができました。
・タブレットにまだ慣れていないこともあり,個人思考の時間が想定以上にかかりました。
・「共感・理解しながら聞く姿」をめざしていたが,聞くことへの必要感がやや少なかったと考えられます。