かさアーティスト ~雨の日っていいなぁ~

かさアーティスト

めざしたいコミュニケーションの姿

[学年] (Phase3)共通点,相違点を確認し合う姿(個の最適解)
[単元]  (Phase2) 相手の話を受けて質問する姿

題材の導入では,6月から児童が感じる気もちや思いを自由に話し合いました。そのうえで,季節にぴったりな傘をデザインし,体育館前の廊下につるして飾ることを児童に伝えました。傘のデザインを考える際には,廊下を通り一面に広がる傘を見た人にどんな気持ちになって欲しいのか自分なりの願いをもつようにしました。製作活動においては,自分の願いからイメージを広げ,ぴったりな色や形を考えるようにしました。題材を通して、自分の傘を見た人にどんな気持ちになってほしいのか,他者意識を持って考えることを大切にしていきました。

本時のねらいと展開

ねらい

開いた傘を見た人がどんな気持ちになってほしいのか想像したことから,表したいことを見付け,形や色,材料などを生かして,どのように表すかを考えている。

展開

①傘を見た人にどう思ってほしいのかを想起し、学習の課題をつかむ。
②グループで考えを交流し,色や形の効果を話し合う。「コミュニケーション場面」
③自分の思いに立ち返り,どのように表すかを考える。
④話合いによって,変容した自分の考えをふりかえる。

めざすコミュニケーションの姿に迫るための手立て

★掲示物により話し合いの目的を明確にする。
★振り返りにより,考えの変容を自己認識する。

実践例(意図・取組)

 本時では,自分の傘に描く模様を決める中で,アイデアを広げていくために話合う場面を設定しました。話合いの土台をそろえるために,それぞれがどのような願いをもって傘をつくっているのかや,そのためにどんな模様のアイデアを考えているのかをロイロノートに書き込んだものを前時に準備しました。また,話合いの前には,自分のアイデアを広げるために話合うことや,詳しく知りたいアイデアがあった場合,質問して深めていくことを掲示物によって確認し話合いを進めました。話し合いの場面では,友だちの考えを聞き,色や形の根拠を質問することで,自分の考えを深めていこうとする姿か見られました。
 話合いの後には,もう一度自分の思いを想起させ,よりピッタリな考えを取り入れて,自分の作品をつくる時間を取りました。作品の変容を見ると,ほとんどの児童が,話合いによって,アイデアを広げ作品を作り変えることができていました。しかし,話し合いのふりかえりを見ると,質問をすることで,友だちの考えの根拠を引き出し,作品に取り入れることができた児童がいる反面,質問ができず,友だちの考えをそのまま作品に取り入れている児童もいて,質問によって形や色の根拠を引き出す力に差が見られました。

成果と課題

成果

・話し合いの前に、目的を掲示物等で確認することは,アイデアを広げていくうえで効果的でした。
・話し合いによる作品の変化を振り返ることで、話し合いで考えを広げることの良さを認識できました。

課題

・自分の作りたいイメージが固まっている児童にとって、話し合いの必要感がありませんでした。
・根拠について質問することが難しい児童もいて,考えに対する理由や根拠を問うための質問を考えてするという経験が必要であると感じました。

学びのバトン

[3年生バトン]  
① 小林(図工)→ 次は、②余川(道徳)実践になります。
・何のために話し合うのか目的を明確にする。
・話合いによる変容や深まりが自己認識できるよう,ワークシートを工夫する。