たいへん! ~あさがおさん おたすけだいさくせん~

きれいにさいてね

めざしたいコミュニケーションの姿

[学年] (Phase 2)相手の話を受けて話す姿、共通点や相違点を聞く姿
[単元]  (Phase 1) 自分の考えを相手に話す姿
    (Phase 1) 相手の話を聞く姿

 あさがおの様子に気付くことができるよう,葉がしおれている写真やつるが伸びて絡まっている写真を導入時に提示します。その際,あさがおの気持ちに寄り添いながら考えることができるよう,あさがおの気持ちを全体で考え,吹き出しで板書に示した後,「おたすけ大作戦を考えよう」と課題を設定します。片桐実践では,ペアでの話合いが長時間になると停滞する姿も見られたため,本時ではペアでの話合いと全体での話合いを繰り返しながら,複数回設けます。全体での話合いでは,必要に応じて具体物を提示し,それを使いながら考えを話すことができるようにします。そしてふりかえりでは,顔の表情と言葉で表した4段階のルーブリックを使って,自身のコミュニケーションの姿をふり返ります。

本時のねらいと展開

ねらい

これまで継続的にあさがおの世話をしたり観察したりしたことを通して,変化や生長の様子に気付くとともに,必要な世話について考えることができる。

展開

①葉がしおれている写真や,つるが伸びて絡まっている写真から,あさがおの気持ちを考え,学習の課題をつかむ。

②ペアで『おたすけだいさくせん』を考え,全体で交流する。「コミュニケーション場面」

③学習をまとめる。(どのようにしてあさがおを助けるか,ペアで伝え合った後,あさがおに手紙を書いて知らせる。)「コミュニケーション場面」

④ふりかえりをする。

めざすコミュニケーションの姿に迫るための手立て

★ペアでの短時間の話合いを複数回設ける。
★全体での話合いの際に,必要に応じて具体物を提示する。
★反応の仕方について児童と話し合ったことを掲示物として視覚化し,短くわかりやすく話す姿やわからなかったことを尋ねる姿などをよい姿として広める。

実践例(意図・取組)

 あさがおの写真を見た児童は,「『喉乾いたよ』って言っていそう。」「『つるが絡んじゃう』って言っていると思う。」「『(つるが)踏まれちゃうよ』って言っているかも。」など,あさがおの困り感を想像していました。そこで「おたすけ大作戦を考えよう」と課題を設定し,1回目のペアでの話合いを行いました。その後の全体交流では,「今よりももっと水をあげたらいい。」「つるが絡んじゃった時は,優しく手で直してあげたらいい。」と考えが出てきました。その考えに対し,「『ほどく』の方がわかりやすい。」「ああ,確かに。」と,似た意味の言葉に言い換えたり,共感したりしながら反応していました。
 その後,全体での話合いが進まなくなったため,つるに焦点を絞り,2回目のペアでの話合いを行いました。すると「棒を立てて,つるをくるくる巻いたらいい。」と新たな考えが出てきました。教師がその児童にどのような棒か尋ね,1本の支柱を提示すると,その児童は実際につるを巻いてみせていました。具体物を提示することで児童はイメージしやすくなり,「でも手を離したらつるが取れちゃう。」「棒が4本あって,横や上に丸いのがある棒を使ったらいい。」と友達の話を受けて考えをもつ姿が増えていました。学習のまとめとして,どのようにしてあさがおを助けるか,再度ペアで話し合う際には,1,2回目の話合いで自分の考えを話すことが難しかった児童も,「つるが伸びてきたら,全部巻き付ける。」と自分の考えを話していました。ふりかえりでは,ほとんどの児童が「話す」「聞く」について3や4と高く自己評価しており,教師と児童の評価にズレが見られました。

成果と課題

成果

・全体での話合いが進まなくなった場面で,ペアでの話合いを設けることで,その後新たな考えを話す姿が見られました。

・必要に応じて具体物を提示することで,イメージしやすくなり,友達の話を受けて考えをもつ姿が増えていました。

・友達の話を聞いて共感する姿や,似た意味の言葉に言い換える姿,よくわからなかった時には尋ねる姿が見られました。

課題

・ペアでの話合いを複数回設けることで,自己評価が曖昧になってしまった児童も見られ,教師と児童の評価にズレがありました。

・友達や教師からの他者評価を取り入れながら,児童が自身のコミュニケーションの様子を自覚できるようにする必要性を感じました。

学びのバトン

③角谷(生活)→ 次は、④長谷川(算数)実践になります。
・回数や形態など,話合いの場を工夫する。
・分かりやすく話す姿を具体化する。
・教師や友達からの他者評価を取り入れていく。