初めてのソーイング! よりよい作品に仕上げるためには?

ソーイング はじめの一歩

めざしたいコミュニケーションの姿

[学年] (Phase3)多様な考えを出し合う姿
[単元]  (Phase2) 相手の話を受けて質問する姿
     (Phase2) 共通点や相違点を理解して聞く姿

前時までには,いろいろな縫い方を学習し,その縫い方を生かして自分の作りたい小物について考え,製作計画を立てました。本時は,製作計画を元に自分の作りたい小物について伝え合う場面です。班ごとの話合いの際は,活発なコミュニケーションを促進させるために中山実践で効果的であった「話型」を用います。また,山口実践を受けて,共通点や相違点により目を向けて友達の話を聞けるようにするために,同じ小物を作る児童同士で班編成を行います。班での交流後は,より多様な考えにふれ,自分との共通点・相違点に気付くことができるように全体で話合いの内容を共有し,自分の製作計画を見直します。適切な評価をするために,「相手の話を受けて話す」,「比べて聞く」の2つの項目で授業の終末にルーブリック評価を行います。

本時のねらいと展開

ねらい

自分の作品作りについて,よりよい方法を考え,製作計画を工夫することができる。

展開

①学習の流れを確認し、本時の見通しをもつ。
②グループで作品を紹介し合う。「コミュニケーション場面」
③グループで話し合われたことを全体で共有する。
④自分の作品を見直す。
⑤学習のまとめとふりかえりをする。

めざすコミュニケーションの姿に迫るための手立て

★活発なコミュニケーションを促進するために,話型を提示する。
★共通点や相違点により目を向けて友達の話を聞けるようにするために,同じ小物を作る児童同士で班編成を行う。
★自分の考えと比べながら友達の考えを聞くことができるように,話合いにおいて「見た目」,「縫い方」,「形」,「大きさ」の4つの観点を提示する。

実践例(意図・取組)

コースターを作るグループの話合いでは,それぞれの作品を紹介した後,「どんな縫い方で縫うの?」「コースターの1辺は何cmになるの?」などと,「縫い方」,「大きさ」に目を向けてお互いに質問し合って,話を深めていました。製作計画を立てる際に提示された,「見た目」,「縫い方」,「形」,「大きさ」といった4つの観点に沿ってお互いの作品を見合うことができていました。また,友達からの質問を受けて自分の作品の縫い方や大きさを具体的に見直したり,どのようにしたらよりよくなるのかについてグループ内で一緒に考えたりする姿が見られました。このような姿が見られたのは,同じコースターという作品を作るもの同士だからこそ製作のイメージがつながりやすくなり,共通点や相違点により目を向けて話し合うことができたからではないかと考えられます。しかし,提示した話型については,必要感がなかったためか話合いにおいて積極的に使おうとする姿が見られませんでした。話型がなくても,自分たちの言葉で話合いが進められるようになったきた姿であるとも捉えることができました。
ルーブリック評価を見ていくと,「相手の話を受けて話す」,「比べて聞く」について達成度を4点中4点や3点と自己評価している児童が多くいました。また,ふりかえりの記述内容を見ても,話合いを通して自分の考えと友達の考えとの共通点や相違点について比べて考えながら聞き,自分の作品を見直すことができていたと書いている児童も多くいたことから,話合いにおいて相手の話を受けて話すことや比べて聞くことについてはおおむね満足できているようでした。

成果と課題

成果

・話合いにおいて観点を提示したり,意図的な班編成をしたりしたことで,友達との共通点や相違点を意識して聞く姿が見られました。
・評価場面において,数値評価だけではなく,コミュニケーションの様子を記述させたことで,自分自身の姿を具体的にふり返ることができました。

課題

・話型については,有効に働く場面もあればそうでない場面もあるので,必要に応じて取り入れていくことが大切であることが分かりました。
・ふりかえりでは,子どもが意識的に話合い場面についてふり返られるような手だてを考えていく必要性を感じました。