いちばん気温が低いのはいつ?

天気と気温

めざしたいコミュニケーションの姿

(Phase3)考えの共通点や相違点を確認し合う姿
(Phase2) 多様な考えを出し合い,共通点や相違点を理解して聞く姿
(Phase1) 要点を明確にして端的に伝える姿 話の要点を意識して聞く姿

 前時までに,晴れと曇り・雨などの天気による1日の気温の変化について学習しました。本時では,1日24時間の気温の変化について,根拠のある予想を発想し,表現することをねらいました。前時までに個人で予想させ,その予想を基に意図的に3人グループを構成しました。提示した話合いの流れを基に,話合い活動で考えを一つにまとめ,思考表示ツールを用い,グループ内での考えの変容を提示しました。ツールを基に全体での交流を行った後,気温のグラフを提示し,一番低いのは明け方や深夜であるとまとめました。

本時のねらいと展開

ねらい

夜を含む1日の気温の変化について,既習の内容や生活経験を基に,根拠のある予想を発想し,表現することができる。

展開

①前時までの学習をふり返り,本時の課題をつかむ。

②グループで話し合い,考えを一つにまとめる。「コミュニケーション場面」

③話合いの結果を交流する。

④気温のグラフを提示し,学習のまとめとふりかえりをする。

めざすコミュニケーションの姿に迫るための手立て

★話合いを円滑に進めるために,グループの人数を一グループ3人にする。
★グループ内で多様な考えを出し合うことができるように,グループメンバーについては,あらかじめ教師が児童の考えを把握し,意図的に構成する。
★教科のねらいにせまるための話合いの目的とコミュニケーション力を育成するための話合いの目標を確認するために,「1考えと理由を伝える,2質問する,3考えを一つにまとめる」という話合いの流れを提示する。
★グループでの話合いによって考えが変容したことを視覚的にわかりやすく示すために,円形の色分けした思考表示ツールを用いる。グループごとに話し合う前と話し合った後の二つのツールを黒板に掲示し,どの考えに変容したかが一目でわかるようにする。

実践例(意図・取組)

グループごとの話合い活動の様子から,一グループ3人にしたことで,どのグループも児童一人一人の発話量が多く,根拠を基に自分の考えを伝えようとしていました。あるグループはとても自然な流れで,話合いの目的である考えを一つにまとめることに向かっていました。ある児童が根拠のある予想を伝えると,「あー。確かに。」など共感して聞く姿が見られました。予想が深夜と明け方に分かれているグループでは,自分の考えと比べながら聞き合い,自分との共通点に気付き,深夜と明け方に意見が分かれていることの理由をみんなで考えようとしていました。他のグループでは,司会の児童がとても丁寧に声かけをして,話合いの流れに沿って目的達成に向けて努力する姿が見られました。理由は一つにまとめることはできませんでしたが,全員が納得する考えを導き出すことができました。しかし,それぞれが違う考えをもつグループでは,出てきた意見を仲間分けしていくことができず,理科的な見方を基に発表した友達の意見に流されてしまいました。
グループでの話合い後に円形の思考表示ツールを基に全体での交流を行いました。グループで話し合った後のツールを見ると,話合いによって考えが変化したことがわかります。「話を聞いてみたいグループは。」と聞くと,自分たちと同じ深夜と考えたグループや,唯一明け方という考えにまとまったグループにその理由を聞きたいという発言があり,積極的な交流が見られました。

成果と課題

成果

・一グループ3人にすることで,児童一人一人の発話量が多く,自分の考えを伝えようとしていました。

・教師が意図的にグループのメンバーを決めたことや話合いの流れの提示をしたことで,多様な考えを出し合うことができました。

・円形の思考表示ツールを提示することで,全体での積極的な交流を生み出すことができました。

課題

・話合いでより考えを深めていくためには,「似ている意見をまとめよう」や「どの考えが納得できる」などの話合いで出てほしい言葉や理想的な話合いについて伝えていく必要があります。