めざしたいコミュニケーションの姿
[学年](Phase2)相手の話を受けて質問する姿
[単元] (Phase3) 共通点や相違点を確認し合う姿
(Phase3) グループで多様な考えを出し合う姿

図工科の小林実践から,話合いの目的を明確にすることで児童が必要感をもって話合いに臨めることや,話合いをして必ずしも友達の考えを取り入れなくても,自分の考えの深まりや変容を感じられればよいと児童に伝えていくいうバトンを受け取りました。
本時では,多面的・多角的に捉えられるように,どうすれば正しい行動ができたのかについてグループで話合いをしました。自分とは違う友達の考えを詳しく知ることが話合いの目的だと,掲示物を用いて説明し,学級全体で確認しました。話合いを通して相手の考えのよさに気付き,自分の考えの再構築ができるように,話合いの前だけでなく後にも,再度自分の考えをワークシートに記入させました。話し合ったことを自分の考えに取り入れたり,深めたりして,自分の考えの変容を認識できるようなワークシートの工夫をし,よりよい話合いができることをめざしました。
本時のねらいと展開

相手に関係なく,自分の正しいと思ったことは自信をもって行おうとする態度を養う。
①日常生活での自分達の行動を思い返し,課題をつかむ。
②教材文を読んで,登場人物の気持ちについて考える。
③登場人物の行動について考え,グループや全体で交流する。
「コミュニケーション場面」
④学習のまとめと自分の生活のふりかえりをする。
めざすコミュニケーションの姿に迫るための手立て
★自分とは違う友達の考えを詳しく知ること,そのために友達に質問することを掲示し,話合いの目的を全体で共通理解する。
★自分の考えの変容が分かるように工夫したワークシートに話合いの前後で記入できるようにする。
実践例(意図・取組)
児童のこれまで経験してきたことの違いから,一人一人の考えにも個人差があると考え,グループ活動では,友達の考えに質問することを推奨しました。質問することで相手の考えをより詳しく知ることができると考え,質問する時間を設定して話合いを進めさせました。本時では,理由を問う質問によって,友達の考えをより詳しく知ることができていました。さらに,友達の質問を受けて,児童一人一人がそれぞれ自分の考えを説明していったことにより,本時の道徳的価値としての正しく行動することのよさに気付き,さらに,具体的な行動の仕方へと話が進んでいき,話合いが活発になっていきました。
話合いの前後に記入したワークシートを見ると,友達の考えを取り入れて元の自分の考えを進化させた児童や,一見考えが変わっていないように見えても,友達の考えを聞いたり自分の考えを話したりしたことで,元々もっていた自分の考えを最初よりも明確に深めることができた児童もいました。
成果と課題
・友達の考えに対して質問することの意義や話合いの目的を学級全体で共通理解したことで,児童が主体的に話合いを活性化させることができました。
・ワークシートを工夫したことで,児童自身が自分の変容を可視化でき,自分達がめざしているよりよい話合いを意識して,ふり返ることができました。
・友達の話に対して臨機応変に質問を返していくことには個人差が出てしまい,全員が話合いを活発にするようなよい質問をできるようになるのは難しいと感じました。
学びのバトン
[3年生バトン]
②余川(道徳)→ 次は,②天池(社会)実践になります。
・話合いの目的を明確にすること。
・臨機応変に対応できるようにすること。(型を与えつつ,よい質問を児童に還元し,質問のレパートリーを広げる)