アーティストにプロデュースや  マネージメントを するって…

アーティストになりきって歌おう ~ つばさをください ~

めざしたいコミュニケーションの姿

[学年] (Phase3)姿 話し合いによって最適解を見出したり,合意形成したりする姿
[題材]  (Phase3) 姿 曲の特徴にふさわしい表現について 新たな価値を見出そうとする姿

本題材に取り上げた楽曲「つばさをください」では,多くのアーティストによってカバーされていることに着目させます。そこで,第一次では,曲想にふさわしい歌い方を見つけるために,タブレットを活用して演奏の聴き比べをさせ,その中で自分のイチ推しアーティストを提示させます。第二次では,より深層性のあるコミュニケーションを育むために,グループ活動による表現活動を取り入れます。ここでは,この学習の目的とした曲想にふさわしい歌い方を見つけるために,範唱とするグループのイチ推しアーティストを決め,活動を開始します。このグループ活動では,児童自身の立場を明確にすることにし,自分の立場(アーティスト・プロデューサー・マネージメント)のいずれかの役を決めて,その立場や役割を活動の中で経験させて表現をまとめていく方策をとります。また,毎時のふりかえりでは,ルーブリック評価においてこの自分の立場としての自己評価をおこないます。

本時のねらいと展開

ねらい

曲想にふさわしい表現について考え,どのように歌おうかについて,思いや意図をもって表現の工夫をすることができる。

展開

① 前時を想起して,本時の課題をつかむ。
② 各グループの表現を聴き合う。
③ 意見交換をする。  「コミュニケーション場面」③④
④ アドバイスをもとに,グループでふりかえりをする。

めざすコミュニケーションの姿に迫るための手立て

★ グループにおける役割(アーティスト・プロデューサー・マネージメント)による立場を生かした関わりに心がけた活動をさせ る。
★ グループの表現の最適解を見つけるために,その表現に対する意見交換や批評を記したワークシートより問題点や課題を整理させる

実践例(意図・取組)

 本時では,これまで,各グループで関わってきた歌唱をアーティスト役が披露する場面を設定しました。各グループでは,はじめに範唱として意識したイチ推しアーティスト映像の歌唱している表現の部分を全体に提示し,鑑賞者がその表現からグループの求めている表現を認識できるようにしました。例えば,実際に歌唱するCグループのアーティスト役のサビの部分の強弱を意識した歌声とイチ推しアーティストの二宮愛による表現との演奏比較をし,その評価をワークシートに記述するようにしました。また,演奏後は,全体で簡単な意見交換も実施しました。その後,鑑賞者からの評価が記されたワークシートをグループ内で吟味し,自分たちの表現の問題点や課題を整理することで,演奏表現の最適解を見出すことができました。この過程を経て,Cグループでは,次時への表現のめあてとして「歌の前半にしっかり声を出す。後半には声をもっとそろえて前半からのサビのつながりに気をつけて歌おう」を設定することができました。本時のふりかえりでは,この活動における自分の立場を意識したルーブリック評価を実施しました。特に話し合うの項目の前時と本時の変化に着目よると,本時のようにアーティスト役のみの表現の披露より,前時のようにグループのみんなで課題に向かい,自分の立場が明確で信頼性が高まったときに,評価が高いことも明らかになりました。

成果と課題

成果

・第一次において,曲想にふさわしい歌い方を見つけるために,自分のイチ推しアーティストを見つける活動は,音楽について深く思考することができました。
・グループ活動において,自分の立場(アーティスト・プロデューサー・マネージメント)を明確にしたことで,児童自身の変容がより自覚できたようです。

課題

・ルーブリック評価の活用方法をより吟味することで,これまで見えづらかった学習過程における問題点をすくい上げるようにしたいと思いました。

学びのバトン

③徳田(音楽)→ 次は、②室野(社会)実践になります。
・個の考えや立ち位置を明確にして話し合うことで,自分の変容を自覚させる。