ことばのリズムをたのしもう

リズムやドレミとなかよし

めざしたいコミュニケーションの姿

[学年](Phase3)多様な考えを出し合う姿・最適解を見いだす姿
[題材] (Phase2) 共感したり理解したりして話す姿
    (Phase2) 共通点や相違点を理解して聞く姿

 「ことばのリズムをたのしもう」の学習では,各グループで野菜を一つ選び,その名前をつかってリズムを工夫しながら言葉の音楽に組み立て,ボイスアンサンブルの曲を完成させることを学習のゴールとしました。まずはイメージマップを用いながら野菜のイメージを広げる時間をもち,野菜のイメージと音楽の工夫を結びつけられるようにします。次に,一人一人が野菜のリズムづくりに取り組み,自分の考えをもった上でグループで話し合い,各自がつくった野菜のリズムを合わせながらグループの野菜のリズムにまとめました。そして,さらにイメージに合った音楽にするために,〔強弱〕や〔速さ〕などをどのように変化させたらよいか話し合いました。「話す」「聞く」「話し合う」ことについては,ルーブリックを用いて自己評価し,次の話し合いに生かすことができるようにしました。

本時のねらいと展開

ねらい

リズムや音楽の仕組みを工夫しながら,野菜のイメージに合った音楽をつくることができる。

展開

①課題の確認をする。
②変化のさせ方についてグループで話し合う。「コミュニケーション場面」
③他グループの演奏を聴いて,自分のグループの音楽を再構築させる。
④まとめとふりかえりをする。

めざすコミュニケーションの姿に迫るための手立て

★ワークシートを用いて考えを可視化させる。
★司会役の児童が発言を促したり,出された考えを確認したりする。

実践例(意図・取組)

 本題材は,「グループ①→個人→グループ②→グループ③」の順序で学習を進めました。まず,グループ①で野菜のイメージを広げ,そのイメージを基に一人一人が野菜のリズムを考えました。グループ②では,自分の考えをもってから話合いを始めたことで,自分のリズムと友達のリズムを比べながら聴き合うことができ,様々な組み合わせを試しながら話合いを進める姿が見られました。また,ワークシートを用いてリズムを可視化したことで,考えを表したり伝えたりする際にわかりやすく,リズムを組み立てる際の手助けとなりました。グループ③では,前時にグループで完成させた野菜のリズムを,さらにイメージに合った音楽にするためにどのように変化させるか話し合いました。前時のリズムをつなぎ合わせる時間は,各自が自分の考えたリズムをもって話合いに参加したことで,話合いが活発に行われていました。しかし,次時の音楽を変化させる時間では,どのように変化させるとイメージに合った音楽になるのか,個人で思考する時間を設定しなかったため,話合いをうまく進めることができないグループも見られました。また,〔強弱〕や〔速さ〕などの音楽の仕組みに着目して,音楽を変化させようとはしていたが,なぜそのように変化させるのか,野菜のイメージと音楽の仕組みとが結びついていないグループも見られました。

成果と課題

成果

・個人で考えをもち話合いに参加することで,自分の考えと相手の考えとを比べながら話したり聞いたりすることができました。
・つくる音楽の形に合ったワークシートを用いたことで,考えを可視化し,わかりやすく表すことができました。

課題

・司会者が話合いをまとめることが難しかったと感じます。2年生の発達段階に合わせた司会者の役割や,話合いの形態について考える必要があります。
・野菜のイメージという抽象的なものと音楽の工夫を結び付けるためには,教師の例示や工夫の観点を絞るなどの手立てが必要でした。

学びのバトン

2学期の稲垣実践では、話合いの観点を明確にすることで、話合いに必要感をもたせます。そして、最適解につなげていきます。