深めの発問は,中グループで解決! コロナ禍でも司会者をたてて,コミュニケーション力育成

めざしたいコミュニケーションの姿

・司会者を中心に多様な考えを出し合う姿 
・中グループで合意形成に至る姿

 現在,3密対策ということもあり,なかなか小グループで交流ができません。しかしながら,全体交流だけでは意見が言いにくいと感じてしまう子供もいます。また,これからの社会に生きる子供に必要な能力として挙げられているものの中に,互いのよさを生かして協働する力やリーダーシップも含まれています。コロナ禍であれ,これらの能力も育成していきたいです。
 そこで,本実践では小グループほどグループ数が多くなく,対面式にもならないように注意した中グループ(8人程度)で司会者・記録者をたて,自分たちで交流していく姿をめざしました。

本時のねらいと展開

ねらい

(ねらい)

・情景や気持ちの変化・父母の願いについて,

根拠となる叙述と結び付けながら想像して

読むことができる。

展開

1.課題に対して自分の考えをもち,全体交流

2.深めの発問「お父さんは、どんなことを願って,一つだけのお花を渡したのかな」

(中グループ交流→全体交流)

3.まとめ

実践例(意図・取組)

 3密の中でも意見が出しやすく,かつ,司会者をたてて自分たちで交流できるようにしたいと思い,中グループ(8人程度)で交流することにしました。その際,どのグループもスクール形式で行うことを基本としました。それなら,グループ数を多くすれば,もっと意見が出しやすいのではないかと思うかもしれません。しかし,たくさんのグループが一斉に話し出すのは,コロナ禍の中,あまりいい方法とは言えません。そこで,中グループでの交流を実践してみました。
 中グループでの交流は,深めの発問の時に行いました。この交流は,各々のグループの司会者・記録者が前に立ち,スクール形式で行います。グループ交流に入ると,「司会をしたいです。」と自分から挙手する子供が多かったです。記録者は,ホワイトボードに友達の意見を書いていきました(本実践では,4グループ中,3グループが脚付きの可動式タイプ,1グループがパネルスタンドにホワイトボードをたてかけた固定式のものを使用)。本校は,オープンスペースの教室のため,クラスを少々広く使えることもあり,グループ同士が離れて話し合うことができました。司会進行の仕方や合意形成に至る方法においては,まだまだ指導や経験が必要ですが,新しいクラスになってから,このような活動をしていなかったので,意見が言いやすくなったり自分たちで進めることができたりと,子供は満足気でした。

成果と課題

成果

・全体交流よりも,中グループ交流で行うことに,子供は意欲的でした。

(その後,別の授業の際,自分たちから「中グループでしたい。」と言い出しました。)

・小グループより,たくさんの友達の意見が聞けるので,自分の考えが広がりやすいです。また,人数も多すぎず,意見も言いやすいです。

課題

・各グループにホワイトボードに貼るための全文シートを準備しなかったため,自分の考えを述べる際,根拠となる叙述を発言しても,根拠となる叙述や場面と場面のつながりを可視化することができませんでした。