江戸時代をいろいろな立場で見てみよう ~視点を変えると考えが広がる!~

町人の文化と新しい学問

蘭学の当時の人々や社会に与えた影響について,いろいろな視点で考えます。武士や百姓,町人といった身分としての立場だけでなく,その身分制度の中で厳しく差別されてきた人や新しい知識や技術を役立てようとする人の立場で考えることで,多様な考えを交流します。この学習を通して,一つの物事や事象には,いろいろな見方・考え方があることに気付かせるとともに,広い視野に立って判断する大切さを養うことをねらいます。

めざしたいコミュニケーションの姿

多様な考えを出し合うことで,それらの共通点や相違点を確認し合おうとする姿

本時のねらいと展開

ねらい

・杉田玄白,伊能忠敬らが蘭学を学ぶことによる社会への影響について,資料をもとに読み取り,理解するとともに,その後の時代の流れを考察することができる。

展開
①前時をふり返り,課題をつかむ(5分)

②蘭学について理解する。(10分)

③蘭学を学んだ当時の人の考えやそれらが広がった後の時代の流れについて考察したことを交流する。(20分)

④まとめとふりかえり(5分)

実践例(意図・取組)

今回のコミュニケーション学習の素地となる,蘭学をおさえる際に,NHK for schoolのクリップ映像を視聴する機会を設け,必要な知識を提示したことで,時短につながりました。どの映像も1~3分とコンパクトで分かり易いものでしたので,子供は興味をもって視聴し,大切だと思うことを積極的にメモしていました。
次に,本時の山場である,いろいろな立場で考えたことを交流する場を設けました。具体的には,医者や・百姓,町人,武士といった職業や身分の視点だけでなく,厳しく差別されてきた人,新しい知識や技術を役立てようとする人といった,社会的背景や志を踏まえた立場について考えさせる場ということです。実際に,子供にとっては,幕府の視点からが一番考えやすかったようです。既習である鎖国の経緯を連想させながら考えをまとめていました。それを切り口として,武士や町人といったいろいろな立場を考えることができました。新しい知識や技術を役立てようとする人などの,身分以外の立場で考えるときでは,当時の人としてというよりも,自分事として考える方がまとめやすかったようです。

成果と課題

成果
・蘭学をおさえる際に,精選した映像資料を効果的に提示することで,授業後半での,本時の山場である,考えを交流する時間を創出することができました。

・医者や百姓,町人,武士といった職業や身分の視点だけでなく,厳しく差別されてきた人,新しい知識や技術を役立てようとする人といった,社会的背景や志を踏まえた立場での視点を盛り込むことで,それぞれの言い分や思いに迫った考えを一人一人がもつことができ,それらをもとに多様な考えの交流につなげることができました。

課題

・グループワークでまなボードに記録していく際に,まとめ上げる時間にばらつきが出てしまい,グループによってはまとめ切ることができないまま授業を進めてしまう場面がありました。ヒントやモデル文を提示したり,言葉を絞らせたりするなど,より効果的に,より簡潔にまとめるための場作りを考えていくことが必要だと考えます。