みんなで投げて見合って遠くへ投げよう!

Thow World~みんなで全身を使って力強く遠くに投げよう!~

めざしたいコミュニケーションの姿

ペアでより遠くに投げることができるフォームを見つけ出そうとする姿

 今では投げることが日常化している子供は少なく,本校でもスポーツテストのソフトボール投げの項目はあまりいい結果ではありません。もちろん何度も投げれば必然的に上手になりますが,時数も限られている学校の授業の中で正しいフォームを身に付けるためには,仲間との協力が必要です。この実践では「投の運動」に取り組み,どうしたら全身を使って力強く遠くに投げることができるかをみんなで考え学習を進めていきました。

本時のねらいと展開

ねらい

よりよい投のフォームを身に付けるために,自己の課題解決にあった練習の場を選ぶなど練習の仕方を工夫するとともに,友達にアドバイスしたり,自分が見つけた運動のこつを友達に伝えたりすることができるようにする。

展開

1. ウォーミングアップ【投げる体操&ステージ練習】
2. 課題確認<自分の課題をクリアするには?>
3. 壁ドンタイム【最初の力を確かめる】
4. パワーアップタイム【課題解決に向けて運動する】
5. 壁ドンタイム【1時間での伸びを確かめる】
6. ふりかえり

実践例(意図・取組)

 学習は基本的にペアで進めていきました。七つのステージを準備し,それぞれの課題に取り組む中で,自然と投動作に必要な技能を身に付けることができました。
 本時では今までみんなで見つけてきた投げるポイント(腕を鞭のようにふるや体重移動,投射角度など)の中で自分の課題が何かを決め,その課題解決に向けて学習を進めていきました。自分の投フォームを確かめるために,各ペアにタブレットも持たせました。ぶら下げられた青玉を力強くたたいて3回転させる肘高ステージでは,「もっと肘を高くして,脚を上げて,強くたたくといいよ。」というアドバイスをしていました。床にボールを打ち付けて,どこまで高くワンバウンドするか試すワンバウンドステージでは,「足をもっと上げて前に足を踏み出すともっと高くバウンドするよ。」とアドバイスをしたりしていました。
 最後の「壁ドンタイム」では,自分が決めた位置から壁に向かってボールを投げました。授業の最初と終末で同じ位置から投げた子供もいれば,もう少し遠くから投げた子供もいました。このときはペアに動画を撮影してもらい,自分の姿を動画で確認していました。ほとんどの子供は自分が遠くまで投げられるようになったと実感していました。

成果と課題

成果

・単元を通してペアで学習を進めたことで,お互いの伸びを感じながら学習を進められたことがよかったです。
・投の運動に意欲的に取り組むために七つのステージを準備したことがよかったです。また,七つのステージの課題,クリア基準を設けたことでお互いが運動している様子を見て声をかける様子が見られました。

課題

・ペアにしたことで,一人が投げて,もう一人がボールなどを拾うという手伝いをしている子供も多く,アドバイスが十分にし合えなかったペアもいました。
・単元を通してクラス全体がレベルアップしているということが分かるような手だて(今日は何人壁にボールが当たったなど)があると,より多くのコミュニケーションが生まれたと考えます。