「自分」にぴったり!

自分が魚にへんしん ~スチレン版画~

めざしたいコミュニケーションの姿

自分や友達の「自分」にぴったりの模様について多様な考えを出し合う姿

本題材までに夢や自分らしさについて教科横断的に追求してきました。本題材は,スチレンボードに押して跡をつけたり,へこませたりしたものを版にします。版を作ることが容易なので,自分の夢・好き・得意なことや自分らしさから,自分にぴったり合う版の模様を考え,表現していくことができます。また,スチレンボードは,洗うことで繰り返し刷ることができるので,いろいろな色で試したり,版の上で混色したりして,自分にぴったりの色を工夫することができる題材です。

本時のねらいと展開

ねらい

「自分」にぴったりの模様になるように考えることができる。
(思考力・判断力・表現力等)

展開

1. 題材と出合い 本時の課題をつかむ
2. 「自分」にぴったりの模様を考える
3.もっと「自分」にぴったりの模様になるように交流し,考える
4.本時のふりかえりをする

実践例(意図・取組)

 共通の土台で交流するために,「自分」にぴったりの魚の模様を表現するということを明確にしました。導入で,将来の夢,好きや得意なこと・ものなどを視覚的に児童が把握できるように,板書に位置付けていきました。
次に,教師の将来の夢「図工が好きな人を増やすこと」・好きなこと「わくわくすること」・得意なこと「新しいアイデアを考えること」を示しました。この三点をもとに教師にぴったり合う魚の模様について考えることにしました。並び方に着目させるために,丸のみで表現しました。そこで,「先生にぴったり合う魚の模様はどっちかな?」と問いました。くねくね模様を選んだ子供が圧倒的に多く,まっすぐ模様を選んだ子供は1人でした。くねくね模様を選んだ理由は,「図工は自由な感じがするから,くねくねの模様がぴったりだよ」「くねくねしていたら,わくわくして楽しそう」などでした。その答えに何人もの子供がうなずきました。しかし,まっすぐ模様を選んだ1人が,「先生は姿勢がまっすぐ前を向いているから」と言うと,何人かが挙手し,「あ!やっぱりぼくもまっすぐの模様にかえる。だって,先生は感動することが多いから,まっすぐな模様がぴったり」と,話していました。この姿から,イメージを言語化して共有することで,多様な考えがうまれることがわかります。
そのあとに,「自分」にぴったり合う模様を丸のみでワークシートに描いていきました。それぞれのイメージが広がり,多様な表現がうまれたときに,「この魚ももっと先生にぴったり合う模様にしたい!どうしたらいいかな?」と投げかけました。すると,数・大きさ・重ね方・並べ方をかえるという表現の工夫に気付きました。
そこから,どんどん「自分」にぴったりの魚の模様になるように,表現していきました。









成果と課題

成果

・教師の二つの例示から,「『自分』にぴったりということはどういうことか?」について模様で考えることができました。同じ言葉でも感じるイメージは,人によって違うことを改めて気付くことができました。
・模様を丸のみに限定して教師の例示をもとに全体交流することで,数・大きさ・重ね方・ならべ方の工夫に気付かせることができました。
・「机上の作品を見合う時間がほしい」という子供の言葉から,作品を見て回る時間を設けました。そこから,多様な考えにふれることができ,新しい表現方法に気が付きました。

課題

・机上の作品を見合う交流では,思いを聴き合うことが難しいと感じました。作品を見ながら聴き合う場の工夫が必要です。