第2回「進むGIGAスクール構想の実現」

WeCREATE(C領域)GIGAスクール構想領域・連載
中川⼀史 放送⼤学教授・博⼠(情報学)

前回から時間が空いてしまいました。すみませぬ。。

さて、第1回でICTが学校での児童の日常ツールにならない国、ニッポン」について解説してきました。今回は、少し政策の話ですので、「え〜実践の話は出てこないの〜?」という方も大勢いらっしゃるかも。しかし、ここを通っておかないといけませんので、今回はお付き合いを。

国のGIGAスクール構想が実施され、全国の多くの学校で、一人1台環境と学校における高速通信ネットワーク環境の整備が一気に加速化されることとなりました。これは前回話した地方財政措置ではなく、いわゆる「紐付予算」で、このためだけに使われます(図1)。これはコロナ禍により、当初の予定より前倒しをして、全学年一人1台の整備が一気に進み、他に「緊急時における家庭でのオンライン学習環境の整備」についても予算がつきました。こんな大型補助は、2009年の教育ニューディール(当時は電子黒板などの整備)以来です。

GIGAスクール構想の実現により、遠隔・オンライン教育や個別に最適で効果的な学びや支援、学びの知見の共有や生成に大いに寄与することが期待されることになります。

図1 文部科学省(2020)「GIGAスクール構想」について

これまで多くの学校で、端末一人1台というと、40台とか80台の学習者用コンピュータをたまに教室に全て持っていって一人1台活用する(授業が終わったら元あった場所に返す)「共有状態」でしたが、これが常時一人1台活用する「占有状態」になるのです。占有になると、まさに連続していつも手元にあり、場合によっては学校と家庭も結びながら活用できるようになるわけです。我々大人が肌身離さず持っている(私だけ?)スマホと同じ状況になるのです。
文部科学省が2020年に公開した教育の情報化の手引き(追補版)によりますと、「社会生活の中でICTを日常的に活用することが当たり前の世の中となる中で、社会で生きていくために必要な資質・能力を育むためには、学校の生活や学習においても日常的にICTを活用できる環境を整備し、活用していくことが不可欠である。(略)これからの学びにとっては、ICTはマストアイテムであり、ICT環境は鉛筆やノート等の文房具と同様に教育現場において不可欠なものとなっていることを強く認識し、その整備を推進していくとともに、学校における教育の情報化を推進していくことは極めて重要である。」(※下線筆者)と、占有であることの意義と必要性を示しているのです。

しかし、活用もさることながら、いろいろな課題が見え隠れするのも事実です。その辺の話は、次回に!では、また

イラスト:石橋音々