オリジナルのドラム演奏を考えよう ~イエスタデイ(Official髭男dism)の楽曲を教材として~

めざしたいコミュニケーションの姿

自分なりの考えをもった上で,グループによる協働学習を得て,より楽曲にあった作品にするために折り合いをつける姿。

子供にとって聴きなじみのあるヒット曲を取り上げ,動作化を経てオリジナルのドラム演奏をつくる試みにしました。はじめは,簡単な2種類の動作(右足のみ)をつけて楽曲全体の構成を理解させていきます。足の刻みに手の動きを加え難易度を上げていくように提示することで,子供はさらに動作化が楽しめます。特に右足(ベースドラム)のキックを楽曲に合わせて動作化することは,ドラムを演奏することに移行したときに大きな力になると考えたからです。例えば,ドラムが学校になくても,両手両足のリズムパターンの動作化だけでも子供たちは楽しくてノリノリになれます。また,本題材のようにドラムを実際に使用する場合ではタブレットなどを使って,様々な演奏の例示を自由に鑑賞させることで演奏の参考になり,多様な表現を生み出すきっかけとなります。

本時のねらいと展開

ねらい
  • グループ(8~9人)で2台のドラムを使って,提示した楽曲にあった演奏を考え,分担奏することができる。
展開
  1. どのようなリズムパターンを取り入れるかを話し合う。
  2. 鑑賞をもとに,曲の構成を理解させる。
  3. リズムパターンや演奏順を決め,試し演奏をする。
  4. 演奏後は試し演奏についてのふりかえりをする。

 

実践例(意図・取組)

各グループでは,この楽曲にはどのようなリズムパターンが合うのかを話し合い,2台のドラムを使用して分担奏などで途切れないように演奏します。8~9人のグループにはドラムが不得意な子供もいることを考慮させ,みんなが楽しめる演奏を構想させていきます。8ビートのパターン,フィールインなどの扱いなど今まで既習してきたことを生かすことや積極的に新しい考えを取り入れることも促します。
6月の分散登校時の学習で,この楽曲をつかって動作化をしてきました。ここでは今まで学習したドラムのパターンを参考にすることや6月の動作化を通じて体感してきたことをもとに,この音楽の全体像を考えました。原曲には,簡単なキックだけの部分やまったくドラムを入れない部分があることを鑑賞から参考にさせました。グループでは,試しの演奏と話し合いをくり返す中でそれぞれの考えに折り合いをつけ,演奏のパターンなどが決定していきました。また,演奏の内容が決まった段階で,だれがどの部分の演奏を担当するかを話し合わせ,技能の能力差などを解決させる手だてをとりました。

成果と課題

成果
  • 5年生の時に学習したスイングジャズの楽曲を演奏した既習が生かされていて,学習の見通しをもつことや協働学習の在り方についての理解度が確認できました。
  • どのグループもメンバーの力量などのよさを生かし,リズムパターンを構成して楽しんで演奏しました。
  • ヒットソングを使用したことで,子供の興味や関心度が高くなりました。
課題
  • 各グループでの技能の能力差をどのように解決していくことや考えのもてない子供にどのような支援が必要なのかの見極めが大事だと感じています。
  • 子供がワクワクする楽曲をどのような形で提示したらよいのかが難しいと考えています。