災害にそなえてわたしたちにできることとは

自然災害からくらしを守る

めざしたいコミュニケーションの姿

友だちと交流する中で自分の考えを深めたり,広げたりする姿

単元の終わりに既習内容を生かして,災害(地震)に備えて自分がしておくべきことを考えます。最初の話し合いのグループは同じ考えのメンバーで組むことで,自分の考えを深められるようにしました。2回目の話し合いのグループは異なる考えの友だちと話し合うことで,新たな視点を獲得させ,考えを広げられるようにしました。話し合いの形式を工夫することで,多様な視点から自分がしておくべきことを判断できるようにしました。

本時のねらいと展開

ねらい
石川県で地震が起こった時に備えて,日頃から自分がしておくべきだと思うことを友だちと交流する中で自分の考えを深めたり,広げたりすることができる。
展開
⓵同じ考えの友達と集まり,交流することで考えを深める。(10分)

⓶異なる考えの友達と集まり,交流することで考えを広げる。(10分)

⓷全体で考えを交流し,考えの深まりや広がりを共有する(13分)

 

実践例(意図・取組)

自然災害(地震)に備えて自分がしておくべきことをより深く,広く考えさせたいと思い,本実践を行いました。
具体的な手立てとしては,グループを変えて,話し合いの機会を複数回取ったことです。1回目の話し合いでは,同じ考えのメンバーでグループを組み,話し合わせることで,備えておくべきだと思うことは同じでも,その根拠は多様であることを実感させ,自分の考えに対する根拠を増やし深まりを感じられるようにしました。2回目の話し合いでは,異なる考えのメンバーでグループを組み話し合わせることで,地震に備えてしておくべきことは,自分の考え以外にもいくつかあり,いろいろな視点から地震に備えておくことが大切であると考えを広げることができるようにしました。最後にクラス全体で話し合い,自分とは異なる友達の考えでやるべきだと思えたものに新たにネーム磁石を貼ることで視覚的に考えの広がりがわかるようにしました。
実際の授業では,同じグループになった友達の根拠や考えを一生懸命に聞きとろうとしたり,ノートにメモしたりする姿が見られました。

成果と課題

成果

グループの編成を工夫したことにより,子供に聞く必要性をもたせることができました。子供は新たな根拠や考えを得ることができ,理解を深めている様子でした。

課題
    友達の意見を聞き,ノートに書くことが目的となってしまい,うまく話し合いが活発化していきませんでした。ノートに友達の意見を書き終えた時点で話し合いも終了していました。

原因として二つ考えられます。一つ目は,今年度は小グループでの話し合いをあまり授業中に行っておらず経験不足であったということです。二つ目は,友達の意見を各自が自分のノートに書くかたちにしてしまったことです。

改善策として二つ考えました。一つ目はグループ内で書記の係をつくり,出た意見を一つにまとめるようにすることです。考えを一つにまとめる必要性をもたせることで,話し合いが活発化するのではないかと考えました。二つ目は「地震にそなえて一番にするべきことは何か」というように選択肢に順位をつけることです。一番を決めるという必要性をもたせることで,話し合いが活発化するのではないかと考えました。