乾電池・導線2本だけで豆電球に 明かりをつけよう

明かりをつけよう

めざしたいコミュニケーションの姿

導線と豆電球の接続の仕方を試し共有することで,接続の仕方を一般化していく姿

 「明かりをつけよう」では,まずソケット・乾電池ボックスを用いて回路を作成することが多いように思います。しかし,本実践では,「電気の通り道」についての理解を深めるために,あえてソケット・乾電池ボックスを使わず,導線・乾電池のみで豆電球の明かりをつける実験を行いました。

本時のねらいと展開

ねらい

乾電池の+極,豆電球,乾電池の-極を正しくつなぐと,豆電球
が点灯することを理解する。

展開

➀ 乾電池、導線を配布し、用語を確認する。
<明かりのつくつなぎ方は?>
➁ 乾電池に、導線を貼り付ける。
➂ 豆電球に、導線を接続し、明かりがつくつなぎ方を
ワークシートに記録する。
➃ まとめる。
課外 導線1本でのつなぎ方に挑戦する。

実践例(意図・取組)

 前時に豆電球をつぶさに観察したので,本時はどの子供も早く明かりをつけたくてたまらない様子。「豆電球の他に必要なものはある?」と問うと,「電池」「道線」という声が。ここで,理科用語の確認をしたうえで、乾電池と導線2本を配布しました。
 「乾電池に導線を貼り付けてね。」と指示すると,極については何も説明していないのに,どの子供もかん電池の+極と-極に導線をテープで貼り付けていました。これまでの経験や知識で,極の存在は知っていたようです。
 いよいよ,豆電球との接続です。ショート回路の危険性についての説明を聞いた後,両手に導線を持ち,机上の豆電球につないでみます。「つかないなぁ…。」「こことここだと思うんだけど…。」「おかしいなぁ…。」などと,はじめは苦戦している様子でした。中には,「先生,豆電球が壊れています!」と,実験道具のせいにする子供も…。しかし,そのうち「一瞬だけついたぞ!」「わかった!」という声が。そこからは,つなぎ方がグループ内で共有されていきました。「こことここをつなぐんだよ。」「下と下じゃだめだよ。」などと教え合います。そのうちにグループを飛び越えてつなぎ方を教える子供も現れ…。最後にはクラス全員が,明かりをつけることができました。
 最後に,「明かりがつくつなぎ方を言葉で表そう。」と指示すると「豆電球の下と横に導線をつなげると明かりがつく」とまとめることができました。

おまけ
 授業が終わっても,「まだ明かりをつけたい!」という子供がいたので,課外に「豆電球と乾電池と導線1本で明かりをつけてみよう。」という課題に取り組ませました。「豆電球の下と上」という,接続部分が理解できているので,難なく明かりをつけることができていました。

成果と課題

成果

試行錯誤が必要な課題設定のため,おのずとグループ・学級内でコミュニケーションが生まれ,納得してつなぎ方を一般化することができました。
ソケット・乾電池ボックスを配布せずに実験をさせたことで,電気の通り道についての理解をより深めることができました。また,本時に加え,第一時において,虫めがね等を使い細かなところまで豆電球を観察させたことが,豆電球内部の電気の通り道まで意識させることにつながりました。

課題

ショート回路の危険性については確認しましたが,知らないうちに乾電池等の温度が上がっていることがありました。やけど等のけがはありませんでしたが,安全性については一層注意していきたいです。