長く続いた戦争について、時間軸と空間軸で見てみよう

長く続いた戦争と人々のくらし

実践のウリ

「長く続いた戦争と人々のくらし」について学習しました。今回は、約80年前に行われた、日中戦争から太平洋戦争、第二次世界大戦の中で、人々がどのように暮らしていたのか、資料をもとにいろいろとまとめる活動を行いました。
まずは、当時の人々は戦争のことを考えなければならず、「ぜいたくはできない」「苦労をしていた」などといった漠然とした予想を出し合います。そこで、時間軸(戦争中と現在)や空間軸(都市部と地方部)といった視点のほか、「衣・食・住・その他」という暮らしの具体が分かるような視点も提示して調べ活動を行うよう促しました。40分授業というタイトな時間の中、学び合いを充実させるために、ノートに書いた友達の考えを無言で見て回るギャラリーウォークの時間を設け、自分の考えを更新、または深化させるようにしました。

従来

ねらい / めざしたい姿

資料を活用して戦時体制について調べ、戦争中の生活の様子を理解することができる/多様な考えを出し合う姿  考えの共通点や相違点を確認し合う姿

展開

①日中戦争から太平洋戦争までの日本の歩みをおさえ、当時の日本の背景を確認する。②戦争中の人々のくらしについて、おおまかな予想を持たせる。③具体を資料をもとに調べる活動を行う。「戦争中と現在」や「都市部と地方部」、「衣・食・住・その他」といった様々な視点で、どんなくらしをしていたのか、どの資料を活用すればよいのか、それぞれの視点で自分でノートにまとめる。④友達のノートを見て回り、ある程度の時間で自分の考えを更新、深化させるために改めてノートにまとめ直す。⑤全体で事実を確認し、学習のまとめを行い、ふりかえりを書く。

課題

本来ならば45分のプランで展開するところ、短縮での40分授業を展開することにより、ねらいに迫るための一つ一つの学習活動が時間的に制限されてしまう。特に、学び合いの時間を十分に確保できず、考えに深みを持たせることが難しい。

実践例
(実践の意図、具体的な手立て、実際の様子など)

はじめの予想では、「国民全体ががまんをしていた」「食べる物もとても質素なものだった」などの意見が出ていました。
あえて漠然とした予想を出させることで、その後の具体を調べる際に、果たして自分の予想が正しかったかどうかを確認できるようにしました。
いろんな資料の中から、「衣・食・住・その他」の分野に分け、具体的にどんなくらしをしていたのかをまとめたところ、終末では、「当時の人々の暮らしがこんなにも大変で、厳しいものだったと分かった」「今、食品ロスなどが話題になっているが、当時はそんなことなど絶対に許されない時代だった。食生活を見直していく必要がありそうだ」「集団疎開をすることで、都市部と地方部、それぞれの出身者での考え方や思いのちがいが分かった」といったふりかえりがありました。国民のくらしが戦争によって厳しく制限される時代があったことを知り、改めて現在の時代に生きているありがたみが実感できた子が多かったようです。

成果と課題

成果

・人々のくらしについて、時間軸や空間軸を用いて考えることで、それぞれの立場での思いや苦労をくわしく考えることができました。例を挙げると、「戦争中と現在」のそれぞれの立場での苦労やよさを考えていく中で、日本の情勢がいかに苦しかったか、または現在がいかに恵まれているかを考える良い機会となりました。

・「衣・食・住・その他」の四つの視点で調べることによって、資料のどこを見ればそれぞれの実際が分かるのかが明確になりました。例えば、戦争中は資源が少なく、食料も不足している現状を踏まえ、配給制にしていたことが分かり、当時の日本が窮地に立たされていく流れが読み取れたと思います。

課題

・時間軸(戦争中と現在)や空間軸(都市部と地方部)といった見方で、それぞれの立場で生きる人々のくらしについて、複数の資料を読み取りながら調べることができました。しかし、子供の思考の流れをうまく整理することができなかったため、学び合いからまとめまでの流れがやや強引になってしまいました。スムーズに進めていくためには、板書によって時間軸(戦争中と現在)や空間軸(都市部と地方部)でくらしの考察を、より分かりやすく視覚化することを意識的に、かつ計画的に行っていく必要があります。