巧み屋さんで巧み技にチャレンジ!みんな、できるかな!?

巧み技で巧み度アップ!(体つくり運動・体の動きを高める運動)・5年・中前裕佳

めざしたいコミュニケーションの姿

より体力が高まる運動の行い方を考え,それを伝えたり試したりする姿(自分の考えを相手に話す姿)
相手の状態や体力を理解して,アドバイスをしたり,声かけをしたりする姿(相手の話を受けて話す姿)

 教師が提示した四つの巧みな動きを高めるための運動(①「あんたがたどこさ」の歌に合わせたリズムジャンプ②フラフープのバックスピン③ボール背面キャッチ④コーンタッチ)を児童がグループの仲間と工夫して,“巧み技” をつくりました。児童がお店役とお客役に分かれ,それぞれの巧み技をお客役にチャレンジしてもらう巧み屋さんを開き,児童同士がアドバイスし合いながら巧みな動きを高めていくという実践をしました。

本時のねらいと展開

ねらい

友達の体力に応じて,巧みな動きが高められるように課題を設定したり,運動の行い方のこつを伝えたりしようとする。

展開

1.課題をつかむ    2.巧み屋さんの準備をする
3.巧み屋さんを開く  4.ふりかえりとまとめをする

実践例(意図・取組)

 児童がアドバイスをし合いながら巧みな動きを高めることができるように、<なんとしてでもみんなの巧み度をアップさせよう!>という課題を設定し、巧み屋さんを開きました。このような課題を設定することで、お店役の児童は、「自分たちが工夫してつくった巧み技を楽しんでもらいたい」「友達に成功してもらわなきゃ!」という意識が生まれました。
 フラフープにバックスピンをかけ、どこまで遠く投げられるか競う巧み屋さんでは、「遠く投げられたから20点だよ!」や「手首をくるっとまわすといいよ!」とアドバイスしていました。ボールを下に打ち付けてワンバウンドしている間に回転して背面キャッチをする巧み屋さんでは「ボールをもっと強く床に打ち付けるといいよ!」や「背中が丸まりすぎてキャッチできないからもう少し伸ばして!」というアドバイスをしていました。
 授業後、ほとんどの児童が「どの巧み技も工夫されていてとても楽しかった、巧み度が上がった。」と感じていました。お店役の児童も「アドバイスや励ましの声かけがたくさんできた。」とふり返っていました。このことから、このような活動を設定したことで必然的にコミュニケーションが生まれ、ねらいを達成した満足感を味わうことができました。

成果と課題

成果

・お店役,お客役というふうに役割を明確にすることで,相手意識や目的意識が生まれ積極的にコミュニケーションをとろうとすることがわかりました。
・お店を開く準備としてアドバイスと声かけを考え,看板に書いおいたことで,誰がお店役をしてもお客役の児童とコミュニケーションをとることができました。
・お店役にお店を楽しんでもらう手順(技の紹介→技のウリ→チャレンジしてもらう→アドバイス)を示すことで,どちらの立場の児童もコミュニケーションの見通しをもって取り組むことができた。

課題

・考えた運動(巧み技)が友達にとって簡単すぎず,難しすぎない運動であるかどうか,話し合って決める過程が十分ではなかったグループがありました。自分たちが決めた運動がねらいに適しているかどうかを判断する基準をクラス全体で共有することが今後の課題であると感じました。