言葉の音楽を楽しもう

リズムやドレミとなかよし

めざしたいコミュニケーションの姿

(Phase2)自分の考えたリズムや言葉を伝えたり,相手の考えを聴いたりする姿(共感したり理解したりして聞く力)
(Phase3)考えを交流し,思いに合った表現をつくり上げる姿(多様な考えを出し合い,最適解を見いだす姿)

2年生になって,少しずつ音符やリズムの学習を進めています。本題材では,楽譜や音符にまだ慣れていない児童でも楽しくリズム学習に取り組むことができるよう,音符ではなく言葉のリズムで自分の思いを表現することをめざしました。児童が大好きな動物をテーマに取り上げ,鳴き声を言葉のリズムで表したり,強弱などの〔共通事項〕を工夫しながら重ねたりすることで,動物たちのイメージにぴったりなボイスアンサンブルの曲をつくることができました。

本時のねらいと展開

ねらい

言葉とリズムの関わりについて考え,表現を工夫し,どのように音を音楽にしていくかについて思いをもっている。

展開

1.各自が考えた言葉のリズムをペアで聴き合い,一つの言葉のリズムにまとめる。
2.つくった言葉のリズムをグループで聴き合う。
3.全体で交流する。

実践例(意図・取組)

音符やリズムの学習を始めたばかりの児童でも,簡単に自分の思いを表現することができる方法として「ボイスアンサンブル」を取り上げました。
本題材では,歌唱教材で言葉のリズムに親しんだ後,グループでの音楽づくりに取り組みました。テーマとして動物を取り上げ,まず,グループ全員で曲に登場する動物を決め,担当分けをしました。ペアになった二人で一つの動物を担当することでコミュニケーションの必要感が生まれました。各自が考えた鳴き声のリズムを聴き合い,一つの言葉のリズムにまとめる際には,動物のイメージを想像しながら「ウサギがジャンプしているみたいに,はねる言葉にしよう」など,根拠を大切にした話合いをすることができていました。次に,それぞれのペアで考えた鳴き声のリズムをつかって,グループで曲を組み立てていく活動に取り組みました。「ジンベエザメとイルカがけんかしているところだから,大きな声で〔呼びかけと答え〕をつかって組み合わせよう。」「仲直りさせるためにやさしくふわっと重ねたいな。」など,グループでもイメージを大切にした音楽づくりをすることができていました。題材のまとめの発表会では,工夫の視点を明確にしたことで,他のグループのステキな工夫に気付く様子や,自分達が思いつかなかった工夫に驚く姿が見られました。

成果と課題

成果

・言葉のリズムを用いたことで,様々な考えを容易に試すことができました。
・ペアやグループでの音楽づくりの場を設定したことで,コミュニケーションの必要感が生まれました。
・どんな場面の曲をつくるのか,グループでイメージを共有したことで,それぞれの思いをもとに話し合う姿が見られました。

課題

・グループ活動の中で,自分の思いをうまく伝えることができない子に対する手立てが必要でした。
・思いを表出しやすいワークシートの工夫が必要でした。